
アニメーションⅠ・Ⅱ(アニメーションセットアップ)
■第11回目 バインドと分割
●ポリゴン分割とバインド
キャラクターのセットアップにおいて、ウェイト調整だけでは限界がある。
モデリングの分割、ジョイントの配置(位置、数)のほうが重要である。

■パターン1

joint1
joint2
joint3
joint1 ウェイト 1.0
joint2 ウェイト 1.0

上図のように分割した円柱のオブジェクトをバインドして、ウェイト調整を行う。(円柱の上面と底面は削除している)


joint2を回転する。関節(joint2)のまわりが萎む。
■パターン2


joint1
joint2
joint3
joint2 ウェイト 1.0
joint1 ウェイト 1.0
上図のように分割した円柱のオブジェクトをバインドして、ウェイト調整を行う。(円柱の上面と底面は削除している)


関節の内側は、パターン1より萎まない。
■パターン3

joint2

joint1
joint3
joint2 ウェイト 1.0
joint1 ウェイト 1.0
上図のように分割した円柱のオブジェクトをバインドして、ウェイト調整を行う。(円柱の上面と底面は削除している)


パターン1、パターン2より全体の体積を保っている。
■パターン4


joint1
joint2
joint3
joint2 ウェイト 1.0
joint1 ウェイト 1.0
上図のように分割した円柱のオブジェクトをバインド して、ウェイト調整を行う。(円柱の上面と底面は削除している)


パターン1~パターン4の中で、最も体積を保っている。
■ジョイントと分割



関節となるジョイント上に分割があるパターンと分割がないパターンを作成する。
joint2

joint1
joint1 ウェイト 1.0
joint2 ウェイト 1.0
joint3
joint2 ウェイト 1.0
joint1 ウェイト 1.0
joint1 ウェイト 0.5
joint2 ウェイト 0.5
joint2
ウェイト調整を行う。(円柱の上面と底面は削除している)
ジョイント上に分割があるパターンでは、そのウェイトをjoint1とjoint2に対して0.5に設定する。


ジョイント上に分割がないパターンのほうが体積を保っている。
ジョイント上に分割がある場合では、ウェイト調整では萎むのを避けることができない。
●ポリゴン分割とバインド


ポリゴン円柱を作成して、入力ノードで分割数を設定する。



オブジェクトを選択して、[デフォーム]>[ラティス]を選択する。
シェイプノードで、ラティスの分割数を設定する。

ラティス上で[右ボタン]クリックして、マーキングメニューから「ラティスポイント」を選択する。
ラティスポイントを編集して、オブジェクトを変形する。(ポリゴンの頂点が移動する)


オブジェクトを選択して、ヒストリを削除する。ラティスが削除される。
オブジェクトを複製して、移動して並べる。複製したオブジェクトの頂点を移動する。

joint1
joint4
joint5
joint2
joint3
joint6
それぞれのオブジェクトにジョイントを作成して、バインドする。

joint1 ウェイト 1.0
joint4 ウェイト 1.0
joint5 ウェイト 1.0
joint2 ウェイト 1.0

頂点を選択して、コンポーネントエディタでウェイト値を調整する。
末端のジョイントjoint3とjoint6のウェイト値は、0に設定する。
斜めに並んでいる頂点を選択するには、[投げ縄ツール]を使用する。

joint2とjoint5を選択して、回転して確認する。

若干だが、分割によって変形に差があるのが分かる。
■ウェイトのコピー



どちらかのオブジェクトを複製する。バインドしたオブジェクトはロックがかかっている。
チャンネルボックスから「選択項目のロック解除」を実行する。移動して並べる。

複製したオブジェクトを[メッシュ]>[スムーズ]を実行する。


ビュー内エディタ、またはチャンネルボックスの入力ノードで、「分割数」を「2」に設定する。

スムーズを実行したハイポリオブジェクトにジョイントを作成してバインドする。

ハイポリオブジェクトはウェイト調整を行っていないので、関節が萎んでしまう。


ハイポリオブジェクトのジョイントを選択して、ローポリオブジェクトに重ねる。

ローポリオブジェクト⇒ハイポリオブジェクトの順に選択して、[スキン]>[スキンウェイトのコピー]を選択する。

ハイポリオブジェクトのジョイントを選択して、移動する。

ローポリゴンのウェイト値がハイポリゴンにコピーされた。
■デュアルクォータニオン

[バインドスキン]のオプションに「スキニング方法」の項目がある。
初期設定は、「クラシックリニア」になっている。

「スキニング方法」の変更は、バインド後にも可能である。
バインドしたオブジェクト、またはバインドしたジョイントを選択する。
チャンネルボックスの出力ノードの[skinCluster]をクリックすると、「スキニング方法」が選択できる。

クラシックリニア
デュアルクォータニオン
スキニング方法が、デュアルクォータニオンの場合は、ウェイト調整していない場合でも細くならない。

クラシックリニア
デュアルクォータニオン
ジョイントを回転してねじった場合でも、形状を保つことができる。