
アニメーションⅠ・Ⅱ(アニメーションセットアップ)
■第11回目
●ジョイントの作成
キャラクターにポーズをつけてアニメーションさせるためには骨格が必要になる。
骨格を作成する機能をスケルトンと呼び、スケルトンはボーンとジョイントで構成される。
スケルトンを人体に例えると、ボーンは骨、ジョイントは関節部分になる。

スキニングのためのメニューは、「リギング」のメニューセットにある。
ジョイントの作成、編集などは[スケルトン]、バインド、バインド後の編集は[スキン]メニューにある。


[スケルトン]>[ジョイントを作成]を選択する。任意の場所をクリックするとジョイントを作成することができる。
[Enter]キーを押すまでボーンで繋がれたジョイントを作成できる。


ボーンは太い部分が親ジョイントで、細い部分が子ジョイントの方向を示す。
スケルトン構造において、ジョイントはクリックした順番で後になるほど、下位(子)となる。
最上位のジョイントをルート(root)ジョイントと呼ぶ。
[Z]キーまたは[Backspace]キーを押すと、前の作業に戻ることができる。
[Y]キーを押すと新しいスケルトンを作成することができる。
[X]キーを押しながら、スナップグリッドを利用しながら、ジョイントを作成できる。
[Shift]キーを押しながらクリックすると、水平、垂直にロックしながらジョイントを作成できる。

[X]キーを押しながら、スナップグリッドを利用しながら、ジョイントを作成できる。
[Insert]キーを押し、ピボット移動にすると下位( 子)を移動せずに、ジョイントを移動することができる。

ジョイントを作成する場合、各ビューの表示方法を設定する。




「ワイヤーフレーム付きシェード」⇒選択しなくても常にワイヤーフレームを表示する。
「X線表示」⇒オブジェクトを半透明で表示する。
「ジョイントのX線表示」⇒オブジェクトがシェーディング表示でもスケルトンが表示される。


[ディスプレイ]>[アニメーション]>[ジョイントサイズ]を選択する。
ジョイントの表示サイズを変更することができる。

[side]ビューで、足のジョイントを 作成する。アウトライナまたは、チャンネルボックスでジョイント名を変更する。

[front]ビューで、「L_hip」ジョイントを移動する。腰の中心にジョイントを作成する。


「L_hip」ジョイント(子)⇒「root」ジョイント(親)の順番に選択して、
[スケルトン]>[ジョイントの接続]□(オプション)を選択する。
「モード」を「親ジョイント」に設定して、「接続」を実行する。


※「L_hip」ジョイント(子)⇒「root」ジョイント(親)の順番に選択して、[P]キーのペアレントでも実行できる。


分岐している下のジョイント「L_hip」ジョイントを選択する。
[スケルトン]>[ジョイントのミラー]□(オプション)を選択する。

左右対称の場合(frontビューで左右の場合)は、「ミラー平面」を「YZ」に設定する。
「複製するジョイントの代替名」に、置換する文字列を入力する。この場合は「L」⇒「R」に置換される。

反対側のジョイントチェーンが自動作成される。
一度に複数のジョイントチェーンには実行できない。



「ミラー対象」が「動作」の場合は左右対称に回転する。「方向」の場合には、そのまま回転する。
●バインド
スケルトンを使用して、キャラクターにポーズをつけるためには、オブジェクトとスケルトンを皮膚と骨の関係にする
スキニング機能を使用する。

すべてのオブジェクト(またはグループ)とルートジョイント(最上位のジョイント)を選択する。
[スキン]>[スキンのバインド]□(オプション)を選択する。

「最大インフルエンス数」を「3」に設定して、「スキンのバインド」を実行する。
「インフルエンス数」は、各頂点に作用するジョイントの数になる。
「3」の場合、1つの頂点に影響するジョイント数が3になる。通常2か3で十分である。

[スキンバインド]のオプションで、「スケルトンのカラー化」がオンになっているので、
バインドするとジョイントがカラー表示になる。


バインドを実行したら、いろいろな箇所のジョイントを回転して確認する。
「hipジョイント」や「kneeジョイント」を回転すると、関係ない部分の頂点を引っ張ってしまう。
これは、この頂点がジョイントへのウェイト値を持っているからである。
[スキン]>[バインドポーズに移動]で元のポーズに戻す。

スキンオブジェクトを選択して、[F9]キーを押して、コンポーネントモードで頂点を選択する。
※右ボタンクリックでの「頂点」選択ではコンポーネントでの選択はできない。

[ウィンドウ]>[一般エディタ]>[コンポーネントエディタ]を選択する。

ジョイント
選択した頂点
ウェイト値
タブの「スムーズスキン」を選択する。横列にジョイント、縦列に選択した頂点が表示されている。
数値は1がウェイト100%を示す。
左足の頂点を選択しているが、右足のジョイントにもウェイト値がある。

一番上の数値をクリックして、スライダで一番下までスクロールする。
[Shift]キーを押しながら、一番下の数値をクリックして、0を入力して、[Enter]キーを押す。
選択している頂点と関係ないジョイントのウェイトを0に変更する。

コンポーネントエディタのオプションで「ゼロカラムの非表示」がオンの場合は、ウェイトが0のジョイントは非表示になる。
「ゼロカラムの非表示」がオフの場合、ウェイトが0のジョイントも表示される。

ジョイントを回転させても、ジョイントまたは、オブジェクトを選択して、[スキン]>[バインドポーズに移動]を選択すると、
スキンバインドした直後のポーズにリセットすることができる。
●スキンウェイトペイント
数値入力だけでは調整しきれないほど頂点数が多い場合、ペイント機能を使用してウェイト値を調整できる。
ウェイト調整するオブジェクトを選択する。(ウェイトは頂点が持っているのでジョイントではない)

[スキン]>[スキンウェイトペイント]□(オプション)を選択する。

「スキンウェイトペイントツール」はスキンに対して、ブラシを使用してウェイト値をペイントできる。

「インフルエンス」からジョイントを選択する。3Dビューでは、オブジェクトがグレースケールで表示される。

赤い円がブラシサイズ(ペイントの影響範囲)になる。
[B]キーを押しながらドラッグするとブラシサイズを変更することができる。

ウェイト調整するためには、ジョイントを回転しないと分からない。
3Dビューでマウスの中ボタンをクリックすると、「インフルエンス」で選択しているジョイントが
選択されて、回転ツールになる。マウスの中ボタンでマニピュレータをドラッグするとジョイントが回転する。

ジョイントを回転して、バインドされたオブジェクトが変形した状態にする。
マウスの左ボタンをクリックすると、スキンウェイトペイントに戻る。

「値」⇒ウェイト値。1.0が白、0.0が黒になる。
ペイント操作
・置き換え⇒値の数字に置き換える。(コンポーネントエディタと同じ)
・追加⇒値の数字を追加していく。(だんだん白くなる)
・スケール⇒値の数字で減少していく。(だんだん黒くなる)※ウェイト値が勝手に分配されてしまう
・スムーズ⇒ウェイト値を平均化する。
基本的には、ウェイト値を徐々に上げて調整する。(⇒だんだん白くする)
ウェイト値を下げたい場合は、他のジョイントにウェイト値を持たせていくと、減少する。


「インフルエンス」から「L_ankle」を選択する。


3Dビューでマウスの中ボタンをクリックする。マウスの中ボタンで回転する。

「ペイント操作」を「追加」、「値」を「0.2」に設定する。
[b]キーでブラシサイズを調整して、靴のかかと部分をドラッグする。
ウェイト値を追加することで、靴の変形が減少していく。
●スキンウェイトのミラー
ウェイト調整は、左右全部に実行する必要はない。基本的には半分だけ行って、それをミラーする。

スキンウェイトのミラーを実行する場合は、必ず「べインドポーズに移動」を実行する。

+X側のオブジェクト⇒ーX側のオブジェクトの順に選択する。
[スキン]>[スキンウェイトのミラー]□(オプション)を選択する。


frontビューで左右の場合、「ミラー平面」は「YZ」、「方向」は「正負反転」に設定して、ミラーを実行する。
左右別々ではない1つのオブジェクトでも、+X側の頂点のウェイト値を-X側の頂点にミラーする。

スキンウェイトのミラーで左右同じように変形することできる。
スキンウェイトのミラーは、ウェイト調整中に何回でも実行して問題ない。
